中高一貫校の特徴は良くも悪くも6年一貫教育にあります
そのメリットとしては、公立の授業と異なり6年間の中で授業カリキュラムを組むため、中高間の仕切りがなく、授業スピードを早めに設定することができ、受験対策が早くとれることにあります。中学の早い時期に大体の概観をおさえるとともに、中3までに高校のはじめの段階まで進み、早い教科で高2まで、遅い教科でも高3の一学期までには履修内容がすべて終わっているというのが通常です。
その反面、高校受験がないため中2頃から中だるみを起こしやすく、授業進度の速さもあって、いったん中だるみ・不明箇所を放置すると、雪だるま的に積み残りが増えてしまい、いわゆる「落ちこぼれ」になりかねない危険性を常にはらんでいます。また、各学校のカラーにあった比較的均質な生徒が集まるため、全体としておっとりしてしまい、闘争心に欠ける面があるという事も特徴にあげられます。
このような中高一貫校の特徴をふまえたうえで、来るべき大学受験に向けて備えていくことが大切です。すなわち、授業進度の速さを最大限に生かしながら、学校での成績を維持しつつ、同時に外部模試等で全体の中での位置づけをしっかりと認識することが大切です。あたりまえですが、大学受験は全国の高校生・浪人生が一斉に受験します。自分の学校内だけを見ていても全体の状況がわからなければお話しになりません。また、難関大学・学部になるほど浪人生の比重が上がってきます。一年以上余分に勉強している受験生と戦うことになるということも常に念頭においておく必要があります。
最後に、中高一貫校は現役合格してこそ価値があります。公立上位校は進度が遅くて現役では受験に間にあわないことが多いですが、浪人するとその分ワイルドさで私立生を追い抜いていってしまいますので注意が必要です。
中高一貫校生の陥りやすいパターン
問題点 現状
- 勉強しないできない
- 部活動で時間がない
- 学校の授業と合う塾がない
- 中学受験の反動で気が緩んでいる
- 授業スピードが速く、宿題等も多いため、自分のペースを掴めない
原因
- 通学時間・授業進度に体力的についていけない
- 勉強意識が低く点数にこだわらない
- 算数→数学への切り替えができていない
- 英語の準備不足
問題点 現状
- 勉強しないできない
- 部活動で時間がない
- 学校の授業と合う塾がない
- 苦手科目・苦手意識がある
- 授業についていけない
- 場当たり的に勉強している
- 与えられた量だけこなそうとして思考していない
原因
- 反抗期にはいる
- 予習・復習に重点をおいていない
- テスト結果のやり直しをせず、弱点解消をしていない
問題点 現状
- 勉強しないできない
- 部活動で時間がない
- 学校の授業と合う塾がない
- 成績が降下している
- 苦手教科がハッキリしてきた
- 緊張感がない
原因
- 自分の弱点を掴んでいない
- 自分と周りの現状を切り離して考えるため、危機感がない
- 高校の内容についていけない
問題点 現状
- 勉強しないできない
- 部活動で時間がない
- 学校の授業と合う塾がない
- やる気がない
- 目的意識がない
- 科目によりバラツキがあり、点数が安定しない
原因
- 干渉されることを嫌う
- 家庭学習の質・量とも不足している
問題点 現状
- 勉強しないできない
- 部活動で時間がない
- 学校の授業と合う塾がない
- 先輩の成功談を聞き、高3になってからでも間に合うと思っている
- 受験情報・知識が欠如している
- 具体的な分析ができない
原因
- 合格レベルの高さを知らないため自分のレベルとの差がわからない
問題点 現状
- 入試を安易に考えてる
- 焦って空回りしている
- 模試判定はE評価ばかりだ
- 明確な方向性が決まってない
- 自分の現状を分析できていない
- 真剣に考えてない
原因
- 基礎学力がついていない
- 目的意識が低い
- 応用力がないため解答スピードが上がらず、点数が伸びない