医系大学受験
少子化が進み、今や大学全入時代となり、選びさえしなければ誰しも大学に入れる時代になっています。
しかし、一部難関国公立大学と医学部だけは、旧来と変わらぬ、いわゆる「受験地獄」の状態が続いています。
2008年度以降、緊急医師確保対策や「骨太の方針2008」等により1割程度の増員がなされた結果、私立医学部で若干の易化が見られるものの、国公立大学では景気の悪化・一部の超難関私立高校の医学部への流入が追い討ちをかけたため、依然として最難関の難易度を保っている状態です。
このため、医学部受験においては、他学部とは比較にならない学力が要求され、目安として、京大工学部でA判定が出て、やっと医学部の受験資格が得られたと言われるくらいです。
以下、国公立・私立別、またその性質別に「傾向と対策」を見ていきましょう。
1.国公立大学
医学部受験についての重要事項
少子化が進み、今や大学全入時代となり、選びさえしなければ誰しも大学に入れる時代になっています。
しかし、一部難関国公立大学と医学部だけは、旧来と変わらぬ、いわゆる「受験地獄」の状態が続いています。
2008年度以降、緊急医師確保対策や「骨太の方針2008」等により1割程度の増員がなされた結果、私立医学部で若干の易化が見られるものの、国公立大学では景気の悪化・一部の超難関私立高校の医学部への流入が追い討ちをかけたため、依然として最難関の難易度を保っている状態です。
このため、医学部受験においては、他学部とは比較にならない学力が要求され、目安として、京大工学部でA判定が出て、やっと医学部の受験資格が得られたと言われるくらいです。
以下、国公立・私立別、またその性質別に「傾向と対策」を見ていきましょう。
1.国公立大学
現在、国公立大学においては、年度にもよりますが、センター試験で9割とるのが、自分の志望にあわせた大学選びができる必要条件であり、85%を下回るとよほどの二次力のない限り、どこも受からないほどの厳しさです。そのため、まずはセンターを通過することが第一条件になります。
そのためには、
①まずは理系教科(400点)に関しては、ヒューマンエラーを考慮しても380点を確保すること
②英語・社会(計300点)に関しては9割270点(リスニング込みの換算後)の確保
③国語がネックになるのですが、8割160点の確保
これが標準になります。特に国語が問題になることが多いので、早めの対策をとること、どうしてもダメなときは、スッパリと私立への志望変更を考えられるほうが、多浪を防ぐためにも現実的です。次に、二次試験についてですが、旧帝大系、総合大学系、医科単科大学(合併後も問題が他学部と別個の場合を含む)で若干の違いがあります。
旧帝大系
【京都大学医学部、大阪大学医学部ほか】
ここでは、医学部というより各大学別の対策が重要になります。一般学部においても難関とされる大学であり、各大学別に特色があるので、それにあわせた対策をとり、工学部+1割を確保するようにします。
総合大学系
【神戸大学医学部、大阪市立大学医学部ほか】
いわゆる地方国公立になりますが、問題レベルは決して高くなく、むしろベーシックに属します。そこにハイレベルな受験生が殺到するため、解けて当然、あとは答案作成上の論理ミス・もれが合否を左右します。独善的にならないように、答案チェックをしっかりと行いましょう。
単科医大系
【京都府立医科大学、奈良県立医科大学、滋賀医科大学、和歌山県立医科大学ほか】
特に数学に多いですが、難度の高い問題が出題されます。必要な得点率は高くなくてもいいのですが、学力が追いついてないと文字通りの白紙答案になりかねません。ハイレベルな演習を手厚めに行うことが必要です。なお、単科系はセンターボーダー(合格ラインの目安)が比較的低く出る場合が多いのですが、たとえボーダー越えしていたとしても、必要学力のおぼつかない方にはおすすめしません。
2.私立大学系

上位私学の場合
国公立の単科医大に近い対策をとります。ただ、私大の場合、穴埋め問題であることも多いので、まずは多少はみ出した手段を用いても、答えを解いてしまい、その上で記述式の場合は正攻法の論理をかぶせるようにします。
中低位の場合
中低位といっても、上位国公立の工学部以上の偏差を要求されるところがほとんどです。そして、20倍前後の高倍率を覚悟しなければなりません。
その中で合格を勝ち取るためには、なんと言っても基礎学力の充実・弱点つぶしに尽きます。基礎~標準レベルの問題集を何度も繰り返し解き、また暗記事項を確実に暗記すること、そして常に抜けが生じていないかチェックしていくことが大切です。
小論文・面接について
1.小論文について
国公立前期試験を除き、まず確実に課されるのがこの小論文です。実はこの小論文、現状あまり高得点をとれていないと考えられます。理由は単純で、受験生のレベルが低いことがあげられます。医学部受験生といっても理系なので多少仕方のない面があるのかも知れませんが、推薦入試等では命取りになりかねないので注意してください。また、後期で配点の高いところでは十分逆転の可能性がありますが、前期が終わってからの2週間で仕上げる事は、科目特性上どうしようもありません。
小論文である程度の得点を確保しようとするなら、日頃から学習項目の中に組み込んで、継続的に行うことが大切です。そして、それは次の面接にも生かされてくるはずです。
2.面接について
面接は、受験生が医師としての適性を持っているかを見るために課されます。ただ、本来これは医師として不適格な人を排除するためになされるものであり、通り一遍のことが言えれば、あとは自然体で臨めば大きく失敗する事はまずありません。ただ、最近は受験生の解答があまりにマニュアル化してきていること、またイレギュラー時に対応できるかを見るためにプレッシャーをかけてくることもあります。このようなときも、決してあわてず、謙虚な姿勢で考えたことを素直に出すようにしましょう。小手先はすぐに見破られます。
医師に求められるもの、卓越した「能力」と「人格」
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