私立大医学部の学費は幅がある!!
私立大医学部の学費は幅がある!!
かつて、防衛医科大学校、産業医科大学、自治医科大学などの特殊な医学部を除けば、私立大医学部は医師の子どもしか入学できないほど学費が高いと言われていました。しかし近年は、私立で最も安い順天堂大学は初年度学納金が290万円(6年総額学納金は2,080万円)、東京慈恵会医科大学は初年度学納金が350万円(6年総額学納金は2,250万円)など、比較的安く設定される大学も増えています。
国立大医学部の6年間総額学納金約360万円と比べると高く感じますが、それでも頑張れば誰もが学べる範囲でしょう。
ただし、いったん入学手続きをしてしまうと、その後入学を辞退しても入学金は戻ってきません。本命校の合格発表が遅い場合は、どこの大学の席を確保しておくか、スケジュールと照らし合わせて十分に検討する必要があるでしょう。
2013年度 医学部 大学別国家試験合格者数・合格率
2013年度 医師国家試験合格者数(第107回)
出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|---|
新卒者 | 7,918人 | 7,742人 | 7,205人 | 93.1% |
既卒者 | 880人 | 827人 | 491人 | 59.4% |
全体 | 8,798人 | 8,569人 | 7,696人 | 89.8% |
2013年 医師国家試験 受験者数は8569名。
合格者は7696名で合格率は89.8%でした。
※去年の合格率が90.2%だったので、微量ではありますが、合格率が下がってしまったようです。見栄え的にもできれば合格率9割はオーバーしてほしかったですが、89.8%というのも十分立派な結果です。
※4月から研修医になることが決定された7696人の合格者さま。本当におめでとうございます。そして6年間お疲れ様でした!! 研修医の2年間は本当に大変で過酷な日々と聞きます。それでも皆さんは”選ばれた人間”なのでそれに負けず、日本の医療に貢献していってくださることを願っています。
2013年度 医学部 大学別国家試験合格率
2013年 医師国家試験(合格率上位10大学)
合格率上位10大学 | ||||
順位 | 大学名 | 分類 | 合格率 | 合格者数 |
1 | 自治医大 | 私立 | 99.1% | 106名 |
2 | 名古屋市大 | 公立 | 98.7% | 76名 |
2 | 日本大 | 私立 | 98.3% | 115名 |
4 | 埼玉医大 | 私立 | 98.0% | 99名 |
4 | 産業医科大 | 私立 | 98.0% | 98名 |
6 | 順天堂大 | 私立 | 98.0% | 97名 |
7 | 福島県医大 | 公立 | 96.6% | 84名 |
8 | 東京医大 | 私立 | 96.4% | 108名 |
9 | 筑波大 | 国立 | 96.3% | 103名 |
10 | 慈恵医大 | 私立 | 95.8% | 91名 |
2013年 医師国家試験(合格率下位10大学)
合格率下位10大学 | ||||
順位 | 大学名 | 分類 | 合格率 | 合格者数 |
1 | 金沢医大 | 私立 | 74.6% | 85名 |
2 | 高知大 | 国立 | 76.0% | 76名 |
3 | 岩手医大 | 私立 | 79.6% | 78名 |
4 | 福岡大 | 私立 | 81.0% | 102名 |
5 | 久留米大 | 私立 | 81.3% | 91名 |
6 | 川崎医大 | 私立 | 81.4% | 105名 |
7 | 聖マ医大 | 私立 | 82.0% | 100名 |
8 | 帝京大 | 私立 | 82.6% | 95名 |
9 | 北里大 | 私立 | 83.9% | 99名 |
10 | 東邦大 | 私立 | 84.3% | 97名 |
トップ層は『東大・京大』より『医学部』を目指す!!
トップ層は『東大・京大』より『医学部』を目指す!!(灘18人増、四天王寺15人増、洛南9人増)
※灘の東大と京大の合格者数は03年からの10年間で大きく変わっていないが、理Ⅲを除く東大の合格者数は08年をピークに減少傾向にある。京大も医学部以外の合格者が03年の40人から17人に減少した。データからも医学部志向が強まっている。
※今春の国公立大医学部の志願者は約2000人減ったが、医学部人気が衰えたわけではなく、各大学の前期シフトが影響したようだ。私立大の志願者が増加し、国公立大にこだわる受験生は歯や薬に志望変更したケースも多く、この系統の志願者が増えている。
※官僚や弁護士への道は魅力的でなくなり、エンジニアを目指すにも関西の製造業は勢いがない、それに1970年代の一県一医大体制で医科大が増えてからの世代が親となり、医学部を目指す家庭が増えていることも影響している。
※女子の国公立大医学部志願者は、定員増前の07年が10235人だったのに対し、12年は12584人で2000人以上増えている。東大や京大に行っても女子の就職は厳しいので、優秀な女子は入学地点で大半が医学部志望!!
※都市部と地方、男女を問わず、受験生の医学部志向が強まっている。職業としての安定性と魅力が、その理由だ。