医学部入試の最新情報[医学部に強い高校 (近畿圏)]

2013年9月13日

センター試験平均点大幅ダウンで国公立5年ぶりに志願者減

国公立大学のほとんどの医学部には、大学入試センター試験による第一次選抜が設けられている。二次選抜に進むには、各大学が設定したボーダーラインを通過しなければならないが、得点の85%~90%を取ることがひとつの指標となる。そのため例年センター試験の結果によって、医学部志願動向に変化が起きる。

2013年度センター試験は平均点が大幅にダウン。特に国語と数学ⅠAの得点が大幅に下がった。この結果、増え続けていた医学部の前期志願者が、対前年比96%と5年ぶりに減少した(グラフ参照)。「医学部を志望する成績上位層であっても、今年は慎重な出願が目立ちました。理系志願者は国語に苦手意識を持っている受験生が多いのですが、今年は数学ⅠAも大幅に下がりセンター試験は厳しい結果となりました」(メルリック学院・田尻友久学院長)

前年秋の模擬試験では、国立大医学部医学科(以下「医学部」と略す)の志願者数は全体的に増加傾向にあり、2013年度入試でも志願者数は増加すると見られていたが、蓋を開けてみると予想外の結果となった。

「センター試験の理系5教科7科目の予想平均点は前年度と比べて34点下がり、900点満点中555点でした。思ったように点数を取れなかった受験生が医学部受験を断念し、薬学部や歯学部など他のメディカル系学部へ出願を変更したようです」(駿台予備学校・塚原慶一郎市谷校舎長)

さらに名古屋大が2段階選抜を新規に実施、また福井大、高知大、福島県立医科大などが前期の第1段階選抜基準の倍率を厳しくしたことも、国公立医学部受験断念の一因ともなった。

後期日程定員の縮小傾向続く。ほぼすべての国公立で面接を導入

2013年度の入試では群馬大、筑波大、名古屋市立大が後期日程を廃止した。佐賀大では後期日程の定員を20名から10名とした。一方で奈良県医科大のように後期日程の定員比重を増やし、志望者増となった大学もある。

「医学部全体としては後期日程定員の縮小傾向は続いています。2014年度入試でも岡山大と九州大が後期日程を廃止します。年々後期日程での合格は厳しくなっており、しっかりと対策をして臨む必要があるでしょう。(河合塾・河内伸嘉麹町校舎長)

医学部の特徴的な入試科目として面接試験がある。2014年度入試では新たに岐阜大と熊本大が面接を導入するため、東京大を除くすべての国公立大で面接が課されることになる。「中には面接試験を点数化している大学もあり、十分な対策が必要です。」(河内校舎長)

受験科目の変更は、2013年度入試では群馬大で理科1科目が2科目に増加した。2014年度入試は信州大の2次試験で英語が追加となる。受験科目の負担増は志願者動向にも影響がある。志望している受験生は要注意だ。

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国公立医学部志願者数・志願倍率推移"

私立は志願者大幅増で9万人突破。学費値下げで国公立との併願増える

私立大医学部の志願者指数は前年度を100とする115となり、指数を伸ばした。2013年度入試ではセンター試験平均点の大幅ダウンの影響から、国公立から私立にシフトする受験生が増えたことが考えられる。出願締切りが1月31日と遅いため、その影響が強く見られた日本大では、志願者数は4132名と前年度を大きく上回り、4年連続の増加となった。

さらにここ数年、各大学で学費の値下げが続いていることも、私立大医学部へのハードルを低くしている。2013年度は昭和大が一般合格者では6年間2650万円から2200万円と大幅に減額、特待制度の合格者は6年間2300万円から1900万円と減額し、2000万円代を下回った。東邦大は6年間で600万円の減額、関西医科大は6年間で200万円減額を実施し、いずれも志願者を増やしている。

「関東では地方の国公立大医学部であれば、首都圏の私立大医学部を選ぶ受験生が最近増えています。私立大の学費が下がったことで、一般家庭でもなんとか捻出できるようになったこと、また少子化により、子供の数が少なく、保護者が手元に置いておきたいと考えていることも影響しているようです」(塚原校舎長)

入試日程では藤田保健衛生大が今年から新たに、定員25人で後期日程を実施した。募集人員は少ないが、センター利用入試を導入する大学も増えており、私立では入試の機会が増えている。とはいえ、志願者の増加で倍率も上がり厳しさは増す一方だ。各大学の難易度の差が縮まり、偏差値は最低でも62程度で、これは早慶の理工学部にほぼ匹敵する。

「医学部入試は合否ラインの1点に20人が集中すると言われています。それだけにケアレスミスは許されない。同点の場合には面接が重視されるので、しっかりと対策を講じてほしい」(田尻学院長)

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