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私立大学 医学部・医学科 合格者数(2014年度・近畿圏高校)
国公立大学 医学部・医学科 合格者数(2014年度・近畿圏高校)
医学部受験を完勝するために(7)
その7:小学校時代における塾と家庭教師(その1)
(1)医学部受験を成功させるための塾や家庭教師
前回は、特に理科と社会に絞ってテキストの精読に関して説明いたしました。
そこで今回は、また別の観点から、医学部受験を完勝するためのポイントについて解説していきます。それは、医学部受験にあたっての塾や家庭教師の必要性についてです。なぜ、医学部受験を成功させるために、塾や家庭教師が必要なのでしょうか。この点に関して、次に述べてみたいと思います。
(2)塾や家庭教師が必要な理由
①公立小学校の勉強と受験勉強とは「別の学習分野」である
ご存知のように医学部受験を成功させるためには、医学部入試に合格実績のある有名私立中学で学ぶ方が断然有利です。しかし、そのような私立中学に合格するためには、公立小学校の勉強だけでは絶対に無理です。これは既に書きましたが、中学入試は公立小学校の学習課程とは似て非なる「別の学習分野」であると考えていただいた方がよいと思います。つまり、まったく違う学習分野の勉強が必要であると思ってください。それは、いわば学校の先生と塾の先生のような違いです。学校の先生はteacherですが、塾の先生はcoachとしての役割の方が強いでしょう。すなわち、まさに似て非なるものです。
②独学では勉強に偏りが生じてしまう
受験参考書や問題集を買って独学で受験勉強を進めていく方法はどうでしょうか。これも、かなり無理があるでしょう。例えば、算数が好きでありかつ得意であっても、受験参考書や問題集の解説を読んでどれほど理解できるかが大いに疑問です。また、同じ算数であっても独学で進めていけば、どうしても勉強に偏りが生じてしまいます。つまり、算数にも多くの分野があり、「これは好きで得意だけれど、これは好きになれない」といった現実を避けて通ることはできないでしょう。そうなってくると、この好きではない分野に関しては勉強が億劫になり後回しになって、最悪の場合には受験まで持ち越されてしまうパターンも考えられるでしょう。こうなれは悲劇です。
③受験では国語の勉強が特に大変である
これはいうまでもないことですが、受験勉強は算数だけではありません。国語や理科、社会も受験科目として考えておく必要があります。仮に、算数と国語の二科目受験であったとしても、国語の勉強がこれまた大変です。国語の勉強では、公立小学校の算数と受験の算数の違い以上の差異があると思ってください。なぜなら、医学部受験を志望する小学生諸君は多くの場合理数系が好きで得意であるケースが多いですが、国語のような文系科目には興味・関心や習熟度が低いことが一般的だからです。
さらに、浜学園や希学園の公開模試を一瞥しても了解していただける通り、その出題される文章は大人が読んでも難しい内容になっています。これが算数ならば、方程式や微分・積分を使えば取りあえず答えは出せるという“大人の方法”がありますが、国語にはそうした便利な解法は残念ながらありません。
④コンスタントな勉強時間を確保するのが難しい
小学生では恒常的に時間を取って勉強を続けていくことは、かなり大変となってきます。今は携帯ゲームありメールありの世の中ですから、楽しい誘惑に満ち満ちています。このような中で、コンスタントに勉強の時間を確保しかつ効率を上げていくのは、かなり困難であるといわなければなりません。もちろん、保護者の方が定期的にお子様の勉強を見ることは可能ですが、仕事や家事で忙しい中で常に対応していくことは非常に困難です。
加えて、親が子どもに勉強を教える場合には、主観的な感情が入り混じり、「どうしてこんな簡単な問題ができないの!」といった言動も重なってしまいかねません。これでは、勉強が原因で親子の感情的な亀裂が生じてしまいます。これでは、保護者の方はかえって信頼関係を失い、お子様の方も強いコンプレックスのため勉強嫌いになってしまうのではないでしょうか。
⑤受験生の各人に対応した正確な情報を得ることが難しい
受験には正確な情報が是非とも必要です。家庭での独習では正確な情報が入りにくく、それが勉強のモチベーションを下げてしまいかねません。だいたい、小学校段階から医学部受験を考えていく場合、それは長い航海のようなものです。このような長丁場を乗り切っていくには、明確な“灯台”が必要不可欠でしょう。すなわち、「現段階ではどのような学習に力を入れるべきか?」「学習のどんな点に注意するべきか?」「志望校の合格偏差値の推移は?」等々を客観的に判断しなければならないでしょう。これが、申すまでもなく“灯台”となる正確な情報です。
正確な情報という点で注意しなければならないのは、インターネットや様々な受験情報誌の情報を鵜呑みにする判断です。インターネットや受験情報誌にも権威のある塾・予備校や出版社のものがあり、それはそれで役に立つ内容も多いと思われます。しかしながら、これから受験を控えている生徒一人ひとりに合わせた情報ではありません。この点が特に見落とされがちなので、要注意です。すなわち、インターネットや受験情報誌からの情報がいかに信頼のおけるものであっても、それはあくまで一般的な内容を越えるものではないという現実は決して忘れないでください。
(3)塾の長所
以上のように考えてみたとき、医学部受験をにらんで中学受験を成功させるためには、どうしても塾や家庭教師の存在が貴重となってきます。では、塾と家庭教師のどちらを選ぶのが適切でしょうか。それは一概には言えません。塾と家庭教師にもそれぞれ長所があり、しかもお子様に会うか合わないかということがあるからです。例えば、塾の長所は次のような点にまとめられるでしょう。
①伝統のある進学塾では合格実績が豊富で、情報も集めやすい。また、受験パターンやノウハウもつかみやすい。
②業界での有名講師やカリスマ講師の授業を受けることができ、それが生徒の勉強におけるモチベーションを高め支えになる。
③適度な競争相手がおり、クラスの昇降によってモチベーションの維持・向上を図ることができる。学校や地域以外の友人ができ、視野も広がる。
④信頼度の高い塾の場合では、生徒の安全管理もしっかりとしていて「預けていて安心」である。
⑤講師研修なども厳しいので、講師の「当たり外れ」は少ない。つまり、授業の標準化は概ねなされている。
⑥塾は勉強だけをするところなので、しっかりとした「けじめ」がつく。決まった日時に授業が行われるので保護者も予定が立てやすく、生徒も「勉強時間」が確実に取れる。宿題も出されるので、宿題をすることで勉強の仕方や計画の立て方も自然に会得できる。また、電車やバスに乗っての通塾の場合、ちょっとした気分転換にもなる。
⑦礼儀作法などに厳しい塾もあり、勉強合宿等もあるので心身両面での子どもの成長が期待できる。
⑧塾を卒業してからもよい先生とのつながりは続きやすく、勉強での相談等で塾を訪れる生徒も多い。また、中学入学後も同じ塾で継続受講する場合では、医学部受験成功という「最後の最後」まで面倒を見てくれる。
(4)家庭教師の長所
では、翻って家庭教師の長所について次にまとめていきましょう。
①自分に必要な勉強ができる。教材や問題、科目の指定も自由自在である。
②自宅に来てもらえるので便利であり、家庭の都合に合わせて日時を選べる。極端な場合、正月や受験前日でも保護者や生徒が希望すれば指導してもらえる。また、「女子生徒には女性の家庭教師」という指定も当然できる。さらに、教える側にとっても家庭の雰囲気を肌で感じ取れるので、適宜家庭とのコミュニケーションを行っていけば成績を上げやすい。
③先生との距離が近く、質問も相談もしやすい。気の合う先生に恵まれた場合には、最終的な医学部受験まで引っ張ってくれる。反面、学習効果の上がらない場合には、講師交代も難しくない。
④集団授業を長い間こなしてきたプロ教師では、そのもっている能力をただ一人の生徒のために注いでくれる。すなわち、“ベテランのうま味”を一身で享受できる。
⑤集団での勉強に適さない生徒もいるので、個人的に勉強を指導してもらった方が効率の上がるケースもある。例えば、単に成績に対する劣等感だけではなく、人間関係でもナーバスになりやすいのが受験期である。
⑥家庭教師派遣の会社には「プロ教師」と銘打っている家庭教師が多く、その能力を保証しているところもある。そのため、最近では「当たり外れ」はそれほど問題となっていない。また、派遣会社には専任の担当者がおり、進路・成績についての相談・懇談も十分してもらえる。
⑦学生のアルバイトであっても、現役の医学生であればカリスマ性が十分ある場合も多い。さらに、志望大学医学部の現役医学生であれば「今、医学部ではこんな勉強をしているよ」というだけでモチベーションが高められるケースもある。
⑧ベテランのプロ講師では保護者よりも年上の場合もあり、保護者への指導もしやすい。副業として家庭教師をしているパターンでは大学や高校の現職教師も多いので、保護者への説得力は相当高い。また、学生のような若さはないが、長年の経験での指導なので具体的で説得力があるケースも少なくない。むろん、進路・成績についての相談・懇談も十分してもらえる。
以上、私は医学部受験を見据えた中学受験には塾や家庭教師が必要である旨を述べ、塾と家庭教師について各々の長所を述べてきました。それぞれの都合に合わせてベストの方法をとっていただき、どうか医学部受験完勝までの長い戦いを乗り切っていってください。場合によってはこの両者を併用するパターンもありますが、それもよく検討していただければ幸甚です。では、次回はまた今回の続きとして、塾・家庭教師の効果的な利用法について説明してまいります。