論説文を初等教育段階から得意にしていく方法 (8)


~その8:「要点のつかみ方」を学ぶ(その5)~

要点のつかみ方、最終回です!
最後に大事なポイントを確認しましょう。

(1)要点をつかむための「7つのポイント」

今回は、「要点のつかみ方」の最後として、実際に論説文の文章があたえられたときにおける攻略ポイントを述べ、「まとめ」といたします。今から述べる攻略ポイントは、かなりの命令口調で表現されていますが、これは実際に入試に臨む受験生諸君の心底に強烈に焼き付き、実戦の場において威力を発揮するための表現ですから、その点をご理解してください。さて、それでは以下の「7つのポイント」に目を通していってください。

攻略ポイント1:単純な表現の違いは気にするな!

(1)択一式問題における「要点を選ぶ問題」は、「趣旨」「主旨」「要旨」「筆者の主張」「筆者の意見」「筆者の考え」「筆者の(最も)言いたいこと」「主題」等の表現で設問として出題されるが、どれも同じ意味である。

(2)「意味」「概念」「定義」という語句も、同じ文章中では同じ意味・用法で使われている場合が多い。それは、筆者としては同じ語彙を何度も使いたくないという、きわめて単純な理由に起因している。したがって、そんな単純な表現の違いを気にする必要は一切ない。

攻略ポイント2:すべては要点の把握から始まる!

(1)「本文の内容に合致しているものを選べ」という択一式の問題を解く場合も、まず要点を本文中から探すことから始める。

(2)要点が理解できてこそ本文全体の方向性が読め、内容・意味の一致・不一致を判断するための手がかりを得られるのだ。

(3)ある選択肢が本文の要点を述べているということは、その選択肢がそのまま「本文の内容に合致」していることを意味する。逆に言えば、本文の内容に合致していない要点などは存在しないのだ。

(4)合致問題において、最後に残った複数の選択肢(「消去法で2つの選択肢だけが残った」等)のうちどれをとるか迷ったら、要点もしくは要点に近いものが正解である。

(5)本文中に、 「AではなくBである」「Aではなく、Bといった方が適切である」というような表現がある場合、Bが要点である可能性が高い。

(6)「~とは何か」という表現は問題提起であり、問題そのものを投げてから要点の記述に入る可能性が高い。

(7)本文を読むにあたっては、キーワード・キーフレーズを捜すことが大事である。キーワード・キーフレーズというものは、文章中に何度も出てくるので捜しやすい。キーワード・キーフレーズさえ見当がつけば、本文がいかに長くても大丈夫である。否、本文が長ければ長いほど、キーワード・キーフレーズの頻出度もそれだけ高くなることが多い。

(9)「!」「?」や固有名詞や数字、“”(髭括弧)は本文から比較的捜しやすいので、それをキーワード・キーフレーズとして捉えていくことも大切である。また、「」が本文中に見える場合には、それがキーワード・キーフレーズである可能性が高い。

(10)「(まるで)Aのように~」という直喩表現が使われている構文では、喩えを用いて説明しなければならないほど、それが重要な内容であることを意味している。すなわち、要点である可能性が高い。

攻略ポイント3:選択肢をチェックせよ!

(1)択一式の問題では、選択肢に出ているキーワード・キーフレーズに注目して、同様の表現がないか否かを文中より探す。

(2)本文中においてキーワードやキーフレーズを捜し、その後に選択肢をチェックする方法もある。そして、キーワードやキーフレーズがまったく出ていない選択肢を削除する。キーワードやキーフレーズに全然触れていないようでは、決して要点や内容合致ではない。

(4)選択肢では、その内容が「真逆」になっている場合は要注意である。このケースでは、どちらか一方の選択肢が正解である可能性が高い。

(5)同じような内容の選択肢がいくつかあるケースも要注意である。正解は必ず一つしかないのであるから 、場合によっては、その似ている内容の選択肢がすべて誤りである可能性が高い。

(6)「言い過ぎ」の選択肢は、最初から「あやしい」と思って対処する。「言い過ぎ」とは、本文の内容が極端化していたり、先走りしていたりしている場合である。すなわち、「そうかもしれないが、本文ではそこまで主張していない」といった記述だ。これは、受験者の錯誤を誘うように出題者がよく使う方法である。

攻略ポイント4:接続表現に注意する!

(1)「しかし」等の逆接の接続詞や「~であるが・・・」という逆接の接続助詞は、特に要注意の接続表現である。この後に、本文全体の要点に当たる文章あるいは文が書かれている可能性が高い。

(2)「もちろん」「なるほど」「確かに」等の次に逆接の接続表現が書かれている構文でも、この後に本文全体の要点に当たる文章あるいは文が書かれている可能性が高い。

(3)「Aではなく、むしろBである」という表現が使われている構文では、「B」あるいはその後の記述が要点である可能性が高い。

(4)「しかも」という接続詞が使われているケースでは、かなりの強調を意図している。したがって、この後に要点の記述に入る可能性が高い。

(5)「つまり」や「すなわち」という接続詞は、筆者の意見を端的に説明する場合に使われやすい。ゆえに、この後に要点の記述に入る可能性が高い。ただし、「すなわち」の方がやや強調の度合いが強い。

(6)「それでも」「それにしても」「にも拘らず」等が出てきたら、それに続く内容が要点である可能性が高い。

攻略ポイント5:「ただの例」は軽く流して読め!

(1)択一式の問題における要点の把握では、選択肢を選ぶ際に「ただの例」に惑わされてしまうケースがしばしば起こりうる。くどくどと長い背景の説明(歴史等)や個別的な事例、あるいは「」付の引用などは要点を説明するための文や文章であるから、それに決して囚われてはならない。

(2)「ただの例」の前後に、「~とは・・・」という表現があれば、この後に要点が書かれている可能性が高い。

(4)「このように」や「以上のように」あるいは「といった」「など」という表現があれは、「ただの例」を含めた一通りの説明が終了したことを意味している。したがって、その後に要点の記述に入る可能性が高い。

(5)本文における各段落の最初と最後の文が要点で、その他は全部「ただの例」という可能性もある。

(6)ただし、「軽く読み流す」といっても、その際には前述の接続表現(特に逆接)には注意しなければならない。

攻略ポイント6:主語が出てきたら注意すべし!

(1)本文中に「私は」に当たる主語が出てきたら、その後に「筆者の意見」すなわち要点の記述に入る可能性が高い。

(2)「私は」に当たる文章は、論説文の問題における文章では、あまり登場しない場合もある。それだけに登場したら、特に注意を払うべきである。

攻略ポイント7:最初と最後の文や文章に注目せよ!

(1)文章というものは、最初と最後に筆者の言いたいことが書かれているケースが多い。「筆者の言いたいこと」すなわち要点である。

(2)本文の最初に、「Aとは何か」「Bについていかに対処するか」等の問題提起があれば、その問題への筆者の答え自体が要点である。したがって、その後の内容は問題の答えを捜すつもりで注意深く読んでいきたい。

(2)本文の最初と最後を読んでも、その内容・意味が試験時間内にあまり理解できなくても、ほとんど気にすることはない。結局は要点を探し出せばよいのであり、内容合致を問う問題を解く場合もそこから始まるのだ。特に択一式の問題では、本文の内容を理解できなくても選択肢と照合して考えていけばよい。すなわち、「選択肢に助けてもらう」気持ちで問題に臨めばよいのだ。

(2)「7つのポイント」を使いこなして、要点を捉えることが大事

いかがでしょうか。この「7つのポイント」を読んでみて、「あっなるほど!そういえばそんな言い回しがあったな。今度は注意しよう」と思ったならば、たくさん問題を解いてきて今まで苦労してきた生徒です。反対に、「どんなことを言っているのかはっきりしない」と思ったならば、まだまだ問題演習に慣れていない生徒です。むろん、この「7つポイント」に関しては、その特に重要な部分は今までの「要点のつかみ方」においても説明しています。しかし、大事な点はこのポイントを今後の問題演習の中で使いこなしていくことです。そのときには、きっと「あっなるほど!」とわかっていただけることでしょう。否、それと同時に「要点のつかみ方」についてもかなり習熟できるようになると、私は信じて疑いません。

では、次のステップでは論説文に強くなるための「読書の方法」について述べていきます。

次回からは次のステップとして読書の方法を学びます。
ありがとうございました!

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